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2025年7月1日新規開院

子宮頸がんを防ぐために
HPVワクチンと定期検診のすすめ

子宮頸がんとは?

子宮頸がんは、子宮の入り口にあたる子宮頸部に出来るがんで、20〜40代の若い女性に多くみられます。原因のほとんどは、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染です。

HPVはとてもありふれたウイルスで、性交経験のある女性のほとんどが一度は感染しますが、多くは自然に排除されます。

しかし、約10%の方では感染が長期間持続し、感染が自然に治癒しない一部の方は、子宮頸部異形成という前がん病変を経て、数年かけて子宮頸がんへ進行するとされています。

世界と比べた日本の現状

多くの先進国では、HPVワクチンと検診の普及により子宮頸がんの罹患率・死亡率は下がっています。

しかし日本では、ワクチン接種率や検診受診率が低いことから、子宮頸がんにかかる人、亡くなる人がむしろ増えているという深刻な状況にあります。

子宮頸がんは20代から発症し、30代から40代でピークを迎え、それ以降は緩徐に減少していく傾向にあります。

若年層で罹患率が高く、50代以降もまだ多い状況ですので、予防と定期検診が重要になります。

日本における20~29才の各種がん発症率推移

日本における20~29才の各種がん発症率推移

HPVワクチンとは?

HPVワクチンは、癌の原因となるHPVの感染を防ぐワクチンです。

シルガード®9を接種することで、子宮頸がんの原因となるHPVの16、18、31、33、45、52、58型の7型のハイリスク型に対し効果があり、子宮頸がんとなるHPV型の88.2%をカバーします。また、尖圭コンジローマの原因となるHPVの6、11型に対しても予防効果があります。

ワクチンはいつ、どう打つの?

現在日本で接種できるワクチンは3種類あり、特に「9価ワクチン(シルガード®9)が主流です。接種スケジュールは年齢により異なります。

ワクチン接種のスケジュール

ワクチン接種のスケジュール

副反応や安全性は?

HPVワクチンの接種後には、注射部位の痛みや腫れ、発熱、倦怠感などの軽度な副反応が見られることがあります。これはほかのワクチンと同様のもので、通常は数日で回復します。

一時期、日本ではHPVワクチン接種後に原因が明らかでない体調不良や慢性的な痛みを訴える事例が相次ぎ、いっときは厚生労働省が積極的推奨を一時中止する措置を取りました。

しかしその後、多くの研究でワクチンと重篤な症状との因果関係は科学的に認められないことが示されています。

検診も忘れずに

ワクチンを打った方も、全ての子宮頸がんを防げるわけではないため、2年に一回の子宮頸がん検診を受けましょう。「ワクチン+検診」の両方が、癌を防ぐ最も確実な方法です。

子宮頸がんは「予防できるがん」です

大切な身体と未来のために、ワクチン接種と検診を前向きに考えてみませんか?

わからないことやご不安がある方は、お気軽にご相談ください。