クラミジア感染症になる原因は？
クラミジア感染症は、日本において最も多い性感染症(STD)のひとつです。
特に10代後半から20代前半の若い世代でよくみられます。
クラミジア・トラコマティスという細菌によって引き起こされ、主に性行為を通じて人から人へ感染します。罹患した女性の約9割は無症状であり、感染に気づかないまま病状が進行することや、他者に広がることがあるため、注意が必要です。
クラミジア感染症の感染経路
クラミジア感染症の主な感染経路は以下の通りです。
- 性行為（膣性交、肛門性交、口腔性交）
- 感染した母親から新生児への垂直感染（分娩時）
感染者とコンドームなしで接触することで感染リスクが高まります。無症状の場合でも感染力はあるため、注意が必要です。
クラミジア感染症の症状とは？
男性の症状
- 尿道からの分泌物（透明または白濁）
- 排尿時の痛みや灼熱感
- 精巣の痛みや腫れ（まれ）
女性の症状
- おりものの増加や異常（黄色や緑がかった色、悪臭を伴うこともある）
- 下腹部の痛みや違和感
- 性交時の痛みや出血
- 不正出血
特に女性では無症状であることが多く、症状が現れないことで感染の広がりが助長されることがあります。
クラミジアを放っておくとどうなる？
クラミジア感染症を放置すると、男性も女性も深刻な健康問題を引き起こす可能性があります。
- 男性：前立腺炎や精巣上体炎を引き起こし、不妊につながることがあります。
- 女性：子宮内膜炎、卵管炎、付属器炎、さらに進行すると骨盤内炎症性疾患（PID）や、右上腹部に激烈な痛みを伴う肝周囲炎（Fitz-Hugh-Curtis症候群）を発症することがあります。結果として、卵管の閉塞や異所性妊娠（子宮外妊娠）、不妊の原因となることがあります。
また、妊婦が感染している場合、分娩時に新生児が結膜炎や肺炎を発症するリスクがあります。
- 男性：尿検査
- 女性：膣分泌物の採取
特に性行為のパートナーが感染している場合や感染の可能性がある場合は、速やかに検査を受けることをおすすめします。
クラミジア感染症の治療法
クラミジア感染症の治療には、抗生物質（アジスロマイシンやドキシサイクリンなど）が用いられます。
治療は1回の服用で完了する場合もあれば、数日間にわたる場合もあります。治療中は再感染を防ぐために性行為を控えましょう。また、感染者のパートナーも同時に治療を受けることが重要です。
クラミジア感染症は不妊の原因になるって本当？
クラミジア感染症は、適切に治療しない場合に不妊の原因となる可能性があります。
特に女性では、卵管に炎症や癒着が起こり、受精卵が子宮に移動できなくなることがあります。また、男性でも精巣上体炎や精子の通過障害を引き起こし、不妊の要因となることがあります。
最後に
クラミジア感染症は、早期発見と適切な治療で完治が可能です。しかし、無症状で進行するケースが多いため、定期的な検査を受けることが感染拡大を防ぐ鍵となります。
検査や治療は信頼できる医療機関で受けることを強くおすすめします。当クリニックでは、プライバシーを重視しながら迅速かつ丁寧な診察を行っています。不安がある方はお気軽にご相談ください。