

月経移動とは、旅行や結婚式、試合、受験などの大事なイベントと月経が重なってしまいそうなときに、ホルモン剤を内服することで月経のタイミングをずらす方法です。
方法はとても簡単で、数日間、毎日1回ホルモン剤を内服することで月経の時期を移動させることは可能です。
月経移動には、月経を早める方法と、遅らせる方法の2種類があります。
中用量ピルを用いる方法
一般的には、月経移動には中用量ピルを用いる事が多いです。
月経を早める方法
- 直前の月経開始から5日以内に内服を始めます。
- 1日1回1錠のホルモン剤を10~14日間内服をします。
- 内服終了後、2~3日で生理が起こります。
月経を遅らせる方法
- 予定月経開始日の5日ほど前から内服を始めます。
- 内服は月経を起こしたくない日まで続けます。
- 内服終了後、2~3日で生理が起こります。
※月経と重なりたくないイベント中もホルモン剤の服用が必要になります。

低用量ピルを用いる方法
月経を早める方法
- 中用量ピルと同様、直前の月経開始日から5日以内に服用を始めます。14日以上内服を継続したあとに服用を終えると、2~3日後に月経が始まります。
月経を遅らせる方法
- 普段から低用量ピルを服用している方は、「連続服用」で月経を遅らせることが可能です。
- 一相性ピル(例:マーベロン、ファボワール)にて可能です。
- 偽薬服用期間を省き、新しいシートを飲み始めることで月経を遅らせることができます。服用中の低用量ピルが2シート以上必要となります。また、期間が長くなると不正出血などの副作用が出る可能性があります。
●注意事項
- 生理周期の不定な方は、月経移動が難しいことがあるので早めにご相談ください。
- 吐き気、頭痛、不正出血などの副作用が出ることがあります。
- 保険が適用されないため、自費診療になります。
- 必ず医師の指示通りに服用してください。
●ピルの処方が出来ない方
当院では、ホルモン剤によって、血液中に小さな塊ができてしまう血栓の副作用を考え、以下の点に該当する方には、処方を行っておりません。予めご了承ください。
- 前兆を伴う偏頭痛がある方
- 45歳以上の方
- 高血圧や糖尿病などの病気がある方
- たばこ(10本以上/日)を吸う方
- 肥満(BMI30以上)の方
- 妊娠中または妊娠している可能性のある方
- 授乳中の方
- 肝臓に重篤な障害のある方
- 乳がん、子宮がんの既往がある方 など
よくある質問
月経移動をすることで身体に悪影響はありますか?
一時的に月経周期を調整することになりますが、次の生理が来るとホルモンバランスは元に戻りますので、ご安心ください。
月経移動は早める方法と遅らせる方法ではどちらが良いですか?
予定日までの日にちがどれくらいあるか、生理を避けたい期間がどのくらいか、ご本人の生理のタイミングなどによって異なります。
詳細は受診時にご相談ください。