

「子どもが欲しいけれどなかなか妊娠しない」という場合には、一般的な不妊治療であるタイミング法というものからまずは始めてみましょう。
タイミング法について知っておきたいポイント
産婦人科で行われる不妊治療の一環として、多くの方に採用されている「タイミング法」。
自然妊娠を目指すための基本的な方法として、特に初期段階の治療で推奨されます。今回は、タイミング法について「確率」「回数」「やり方」「スケジュール」という4つの観点から解説します。
確率:タイミング法での妊娠成功率
タイミング法の成功率は、一般的に月経周期が安定しているカップルでは「1周期あたり10~20%」と言われています。この成功率は、年齢や健康状態、精子・卵子の質によっても左右されます。特に女性が35歳を過ぎると成功率が徐々に低下するとされており、早めの相談が重要です。
回数:試みるべき周期の目安
タイミング法は、通常6周期程度を目安に行われます。この期間内に妊娠が成立しない場合、以降の妊娠率は頭打ちになることが多く、次のステップ(排卵誘発剤の使用や人工授精など)を検討することが推奨されます。ただし、夫婦の状況や年齢によっては早めにステップアップすることも検討されます。
やり方:基礎体温と排卵日予測検査薬、超音波検査を活用
タイミング法の基本は、排卵日を予測して性交を行うことです。そのために以下の方法を組み合わせます。
1. 基礎体温の記録
専用の婦人体温計を使用して、毎朝起床直後に体を動かす前に口内で体温を測り、記録します。排卵は一般的に低温期の最終日~高温期に移行する直前に起こります。基礎体温を付けることによって、月経の周期や排卵の有無、排卵のタイミングなどが分かります。
2.排卵日予測検査薬の使用
精子は体内で2~5日生存できる一方、卵子の寿命は排卵後24時間です。
排卵後1日経過すると妊娠率はほぼ0%となってしまい、排卵日の1~2日前が最も妊娠しやすい時期と言われています。
排卵日予測検査薬は、排卵の約24~36時間前に急上昇する「黄体形成ホルモン(LH)」を尿で検出し、妊娠しやすいタイミングを知るためのツールです。排卵予定日の数日前から検査を開始し、陽性が出たらその日、または翌日にタイミングをとるとよいでしょう。
3.超音波検査(病院でのサポート)
医師が超音波検査で卵胞の大きさを確認し、排卵の予測を行う方法です。一般的に卵胞が18~22mmになると排卵が近いため、その頃に指示された日にタイミングを取ります。排卵誘発剤と併用することもあります。
これらの方法を組み合わせることで、妊娠の可能性を高めることができます。
スケジュール:日常生活とのバランスを大切に
タイミング法は、排卵のタイミングに合わせて性交を行うため、夫婦で事前にスケジュールを調整することが重要です。一般的な目安として、以下のタイミングが推奨されます。
排卵日の3~4日前から、排卵日予測検査薬を使い始めます。1日1回、ほぼ同じ時間に検査をします。朝一番の尿は避け、尿を3~4時間ためてから検査をするとよいでしょう。
検査が陽性になったらその日と翌日の可能なら2回、難しい場合はどちらかの日にタイミングを取りましょう。
ただし、ストレスやプレッシャーがかからないよう、無理のない範囲で行うことが大切です。医師との相談を通じて、夫婦のライフスタイルに合わせたアドバイスを受けましょう。
まとめ
タイミング法は、不妊治療の第一歩として多くのカップルにとって有効な選択肢です。ただし、成功率や試みる回数には個人差があるため、適切な検査と医師の指導を受けることが欠かせません。疑問や不安がある場合は、早めに産婦人科へご相談ください。